複数の不動産投資ローンの繰上返済の効果を、ローン定数(K%)を用いて比較する方法

サラリーマン大家としてワンルームマンションを保有して、時間をかけて資産形成を目指すときに、途中で手元資金が破綻しては中断を余儀なくされてしまいます。そうならないためには、キャッシュフローのプラスを維持するようにコントロールすることが必要になります。

キャッシュフローを上手くコントロールするにはローンとの上手な付き合い方を覚える必要があります。

結論から言うと、返済額軽減型の繰上返済をしてキャッシュフローを改善させ、税引後キャッシュフローの黒字をキープしつつ、余剰金を可能な限り、さらなる繰上返済にまわすことをお勧めします。

このような方法で積極的に資産形成されようとする場合は複数のワンルームマンションの保有が視野に入ってくると思います。

その場合に、どのローンを繰上返済するかという選択で迷われることもあると思います。このブログ記事では、その決断をするための理論的な判断材料を整理したいと思います。

元利均等返済の返済額シミュレーションの原理

銀行からお金を借りたとき、元利金等返済では、利率と返済年数から、毎月の返済額が決まります。

  • 借入額R
  • 年利Py
  • 月利p = Py ÷ 12
  • 返済月数n = 返済年数 × 12
  • 月間返済額m = R × p × (1+p)^n ÷ {(1+p)^n – 1}

月間返済額mの計算式は、高校数学の知識で導出することもできますが、ここでは割愛します。とにかく、月間返済額の計算式は素晴らしいです。

一方で、年間の返済額を計算するには、以下のように変形すると良いでしょう。

  • 年間返済額Y = m × 12
  • 年利Py = p × 12
  • ローン定数K = Py × (1+Py/12)^n ÷ {(1+Py/12)^n – 1}
  • Y = m × 12 = R × K

あらかじめローン定数Kを求めておいて、借入額Rに掛けたものが、年間(12ヶ月分)の返済額となります。

ローン定数Kは年利Pyと返済月数nによって変わります。

手取り早く把握したい場合は、[ローン定数の早見表を作成しているサイト]を参考にされると良いでしょう。

繰上返済による返済額軽減の効果のシミュレーション

期間短縮型で繰上返済する場合は、返済額は変わりませんので、キャッシュフロー改善には返済額軽減で繰上返済するのが推奨です。

返済額軽減型の効果

返済額軽減型で繰上返済すると、返済回数nは変えないままで、借入額Rを減らしたものとして、年間返済額Yを計算すればよいです。

  • 年間返済額Y = R × K
  • ローン残債R = 1200万円
  • 返済回数n = 12ヶ月 × 25年 = 300回
  • 年利Py = 2%
  • ローン定数K = 5. 09%
  • 返済額m = 1200万円 × 5.09% = 61.08万円

繰上返済額した場合は以下の通りです。

  • 繰上返済額 = 100万円
  • 繰上返済後の返済額m’ = 1100万円 × 5.09% = 55.99万円
  • 軽減額 = 61.08万円 – 55.99万円 = 5.09万円 = 100万円 × 5.09%

勘の良い方はお気づきかもしれませんが、繰上返済額(100万円)にローン定数(5.09%)を掛けたものが返済額の軽減額(5.09万円)になります。

期間圧縮型との違い

ところで、返済額軽減型だと期間圧縮型よりも完済までの期間が延びることを懸念される方もいるでしょうが、返済額軽減で軽減された金額を貯めておいて、次の繰上返済で追加して返済すれば、完済のペースはほぼ変わりません。

違いとしては、軽減額に年利をかけた金額程度です。

  • 年間の返済軽減額 = 5万円
  • 年利 = 2%
  • 5万円 × 2% = 1,000円

年間1,000円のコストで手元に年間5万円のキャッシュフロー余裕を生み出すことができるのは、心理的に随分と楽になると思います。

ローン定数を比較してみる

私の手元にワンルームマンション3件のローンがありますので、どれを繰上返済するのが最も効果的なのかを調べてみましょう。

  蒲田 白山 中野
ローン残債R 1,164万円 1,531万円 1,195万円
残返済回数n 213回 289回 290回
年利P 1.575% 1.600% 1.900%
ローン定数K 6.46% 5.01% 5.16%

この中で最もローン定数Kが大きいのは蒲田の物件ということがわかりました。

それでは、蒲田の物件に毎年100万円と軽減額をまとめて繰上返済すると、どうなるでしょうか。

年次 1年目 2年目 3年目
ローン残債R 1,164万円 1,012万円 857万円
残返済回数n 213回 201回 189回
年利P 1.575% 1.575% 1.575%
ローン定数K 6.46% 6.80% 7.17%
繰上返済 100万円 106万円 113万円
軽減効果 6.46万円 7.20万円 8.10万円

ローン定数Kは、年々と返済回数が減るため、徐々に上昇していきます。

100万円+軽減額を投資することで、年間6%以上のリターンが得られ、さらに軽減額も再投資することで複利効果による収益を上げ続けることも可能です。

これは、ローン完済後に家賃収入を期待するまでもなく、その一部の収入をローン返済中に得ることができるというテクニックとなります。よく覚えておいて、ぜひ返済額軽減型の繰上返済をご検討いただければと思います。

ローン定数を覚えておこう

お手持ちのローンの年利と残返済回数から、ローン定数を計算できます。

返済回数は、毎月1回ずつ減っていきますので、それによりローン定数が徐々に増えていきます。

複数のローンをお持ちの場合は、それぞれのローン定数を計算して、もっともローン定数が大きいものを把握しておくことをお勧めします。

最もローン定数が大きいものに対して繰上返済するのが、最も返済額の軽減効果が高く、キャッシュフローの改善にもっとも効果があります。

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