都心のワンルームマンションの投資において、収支がプラスになりそうか、マイナスになるならどのくらいか、などを見積もるために、かんたんに計算する方法を整理したいと思います。
これは、[不動産投資の節税の仕組み]の記事で触れたキャッシュフローの収支を具体的に計算したものとなります。
このとき、初期費用(約70万円)と不動産取得税(約30万円)は、ここに記載するだけとして、以下では省略します。
必要な情報
以下の情報を揃えることで、収支を計算することができます。()内は、以下の計算例で扱う数字です。
- 物件価格(2,000万円)
- 想定家賃(月々85,000円)
- 賃貸手数料(月々3,300円)
- 物件購入時の頭金(0万円)
- 借入金利(1.6%~2.1%)
- 借入年数(35年)
- 管理費(月々5,000円)
- 修繕積立金(月々8,000円)
- 固定資産税(年間48,000円)
手取り家賃(表面利益)の計算
賃貸管理として、賃貸契約や家賃収納代行や修理手配などの賃貸管理業務を賃貸管理会社にお願いすることを基本としますと、想定家賃から、賃貸管理会社に払う手数料を引いたものが、手取り家賃として銀行口座に入金されます。
- 想定家賃(月々85,000円)から
- 賃貸手数料(月々3,300円)を引いた
- 手取り家賃(月々81,700円)が振り込まれます
手取り家賃は表面利益とも呼ばれます。
諸経費を引いた実質利益の計算
賃貸管理会社とは別に、マンションそのものを維持管理する管理会社に支払う費用と、国に収める税金を諸経費として、手取り家賃から引いたものが、実質的な利益ということで、以下に計算できます。
- 管理費(月々5,000円)と
- 修繕積立金(月々8,000円)と
- 固定資産税(月当たり4,000円)を
- 手取り家賃(月々81,700円)から引くと
- 実質利益(月々64,700円)となります。
これを元手に銀行のローンを返済します。
ローン返済額の計算
- 物件価格(2,000万円)から
- 物件購入時の頭金(0万円)を引いたものが
- 借入額(1,800万円~2,000万円)となります。
これと、以下の条件を[ローン計算]のサイトにて入力して計算します。
- 借入金利(1.6%~2.1%)
- 借入年数(35年)
- 返済方法は元利均等を選択
- 毎月払い。ボーナス返済無し
すると、
- 返済額(62,221円~67,283円)
が計算されるでしょう。
- 実質利益(月々64,700円)から
- 返済額(62,221円~67,283円)を引いて
- キャッシュフローの収支(+2,479円~-2,583円)
が最終的な収支となります。プラスなら収入、マイナスなら支出です。
予備費について
賃貸経営におけるリスクに備える必要があります。
- 空室になったときは、家賃が入らないので自腹でローン返済が必要です。
- 設備が故障したときも、賃貸管理会社は修理の手配をしてくれるものの、修理費も自腹です。
このようなリスクに備えるために、毎月少しづつ予備費を積み立てておくことをお勧めします。
納税について
キャッシュフローのプラスが出たからといって、それをもとに納税するかというと、そうではありません。
税務上の収支はキャッシュフローの計算とは異なる方法で行いますので、詳しくは[不動産投資の節税の仕組み]をご覧ください。