住宅ローンや不動産投資ローンの返済額を抑えたいと思うことがあるでしょうか?
そんなときは返済期間は据え置きのまま、返済額軽減型の繰上返済がお勧めです。
どのくらいの繰上返済資金に対して、どれだけの返済額軽減の効果があるか知りたいと思ったら、ローン定数(K%)を覚えておくと良いでしょう。
本ブログ記事を読むと、ローン定数(K%)の調べ方、使い方が分かるようになります。また、後半では計算原理についても説明しています。
ローン定数(K%)の調べ方
ローン定数(K%)とは、借入金に対する年間返済額の割合で計算することができます。
お手元のローン返済表から、以下の計算式で求めることができます。
- [毎月の返済額]×12 ÷ [ローン残債] = [ローン定数(K%)]
例えば、以下のように計算します。
- 毎月の返済額 = 8.5万円
- ローン残債 = 2,500万円
- ローン定数(K%) = 8.5 × 12 ÷2,500 = 4.08%
条件にもよりますが、無理のないローン契約でしたらだいたい5%前後になるかと思います。返済初期ほど低く、返済後期ほど高くなる傾向にあります。
また、複数の不動産ローンを抱えていて、残債もほとんど同じでしたら、毎月の返済額が多いものほどローン定数(K%)が高くなります。
ローン定数(K%)の使い方
資金の調達効率としての使い方
ローン定数(K%)は、以下のように変形することができます。
- [毎月の返済額]×12 ÷ [ローン残債] = [ローン定数(K%)]
- [年間の返済額] ÷ [購入物件費用] = [ローン定数(K%)]
つまり、物件購入費用を融資で賄うとき、物件費用を調達するのに、年間どれだけの調達費用がかかるのかということです。
例えば、2,000万円のワンルームマンション を購入するとき、金利1.7%の30年ローンと、金利2%の35年ローンの選択肢があった場合、どちらの方がローン定数(K%)が小さいでしょうか。
- 金利1.7%で30年だと
- 毎月の返済額 = 70,959円
- ローン定数(K%) = 4.26%
- 金利2.0%で35年だと
- 毎月の返済額 = 66,252円
- ローン定数(K%) = 3.98%
2%で35年ローンの方がローン定数(K%)が小さいですね。こちらの方が年間返済額も低く、資金調達効率が良いことになります。
このように、借入条件の比較に使うことができます。
繰上返済返済効率としての使い方
ローン定数(K%)の導出式を変形すると、以下のようになります。
- [ローン残債] × [ローン定数(K%)] ÷ 12 = [毎月の返済額]
繰上返済をすると、ローン残債が減ります。すると、毎月の返済額は以下のようになります。
- [ローン残債 – 繰上返済額] × [ローン定数(K%)] ÷ 12 = [毎月の返済額]
具体例で考えますと、先ほどの例で100万円を繰上返済したとき、毎月の返済額は次のようになります。
- [2,500万円 – 100万円] ×4.08% ÷ 12 = 8.16万円
つまり、0.34万円(3,400円)だけ、返済額が軽減されたことになります。
年間では0.34 × 12 = 4.08万円となります。
ちようど、繰上返済額の100万円にローン定数(K%)として計算した4.08%を掛けた金額が、年間の節約となりました。つまり、以下の使い方ができます。
- [繰上返済額] × [ローン定数(K%)] = [年間の返済軽減額]
- [繰上返済額] × [ローン定数(K%)] ÷ 12 = [毎月の返済軽減額]
ローン定数(K%)の計算原理
銀行からお金を借りたとき、元利金等返済では、利率と返済年数から、毎月の返済額が決まります。
- 借入額R
- 年利Py
- 月利p = Py ÷ 12
- 返済月数n = 返済年数 × 12
- 月間返済額m = R × p × (1+p)^n ÷ {(1+p)^n – 1}
月間返済額mの計算式は、高校数学の知識で導出することもできますが、ここでは割愛します。
一方で、年間の返済額を計算するには、以下のように変形すると良いでしょう。
- 年間返済額Y = m × 12
- 年利Py = p × 12
- ローン定数K = Py × (1+Py/12)^n ÷ {(1+Py/12)^n – 1}
- Y = m × 12 = R × K
あらかじめローン定数Kを求めておいて、借入額Rに掛けたものが、年間(12ヶ月分)の返済額となります。
ローン定数Kは年利Pyと返済月数nによって変わります。
手取り早く把握したい場合は、[ローン定数の早見表を作成しているサイト]を参考にされると良いでしょう。