75歳以上の年金支給額に対する手取りの計算について、このブログ記事にて整理したいと思います。
75歳以上の場合は加入する医療保険が後期高齢者医療保険に変わります。この後期高齢者医療保険料と介護保険料を合わせた社会保険料として引かれます。
75歳以上の場合も、74歳までと変わらず、おおよそ年金支給額の90%程度が手取りになると考えておけばよいでしょう。
60歳から74歳までの年金支給額に対する手取りを計算する方法については、当ブログ記事[年金受給額から税金と社会保険料を引いた後の手取りを計算する方法]を参照頂ければと思います。
年金から引かれる社会保険料
社会保険料は、後期高齢者医療保険料と介護保険料に分けられます。
後期高齢者医療保険料
- 基礎(医療)分 = 所得の約9% + 4.5万円前後
- 所得 = [年金支給額 - 年金控除(110万円)] - 基礎控除(33万円)
尚、65歳以上の年金控除は、年金支給が330万円までは110万円となり、これが多くの人に当てはまるでしょう。
参考まで年金支給額410万円までの(年金支給額 - 年金控除)の計算は以下の通りです。
年金支給額 | 計算式 | 金額 |
~110万円 | – | 0万円 |
110万円~330万円 | 支給額が110万円を超えた分 | 0万円~220万円 |
330万円~410万円 | 110万円 + (支給額が330万円を超えた分) × 75% | 220万円~280万円 |
介護保険料
介護保険料の計算は、65歳以上の計算と同じです。[年金受給額から税金と社会保険料を引いた後の手取りを計算する方法]にも記載の通り以下の計算となります。
介護保険料 = 基準額(7万円前後) × 年金支給額ごとの倍率(0.3倍~4倍)
75歳以上の社会保険料
年金支給額が200万円の場合、保険料の計算結果は以下の通りとなります。
- 後期高齢者医療保険料 = (200万円 - 110万円 - 33万円) × 約9% + 4.5万円前後 = 約9.6万円
- 介護保険料 = 7万円前後 × 1.0 = 約7万円
- 合計:約16.6万円
年金支給額200万円に対して約8%となりますね。
年金から引かれる税金
後期高齢者の場合も所得税と住民税がかかります。計算方法は65歳から74歳までの計算方法としてまとめた[年金受給額から税金と社会保険料を引いた後の手取りを計算する方法]の記事と同じ計算でよいです。
200万円の支給額に対して計算すると、以下のようになります。
- 所得税:
- 所得 = (200万円 - 110万円) - 48万円 - 38万円 - 16.6万円 = 0万円 (マイナスは0と扱う)
- 所得税 = 0万円 × 約5% = 0万円
- 住民税:
- 所得 = (200万円 - 110万円) - 43万円 - 33万円 - 16.6万円 = 0万円 (マイナスは0と扱う)
- 住民税 = 0万円 × 約10% + 約5,000円 = 約5,000円
年金から社会保険料と税金を引いた手取りは約90%
年金200万円に対いて引かれる金額を合計すると、以下の通りです。