1件目、2件目、3件目と投資物件を増やしたときの借金を、次々と加速度的に完済させる戦略について、不動産投資セミナーで学びました。
ここでは、その理論をベースにして、できるだけ多くの物件(純資産)を手元に残す方法について整理したいと思います。
いくら借金できるか把握する
サラリーマンとして安定した職についていれば、おおよそ年収の10倍〜20倍程度はローンを組めるものと思います。
- 年収500万円くらいだと、5,000万円〜10,000万円を上限の目安としてローンを組めるようです。
- 10,000万円の借金ができれば、2,000万円の中古マンションで、5件程度を購入できる金額かと思います。
- ただし、上限いっぱいの借金をすると、いざ自宅を買おうとするときに住宅ローンが通りにくくなるようです。
- そのため、借金の上限目安に対して自宅用ローン分を残しておくと良いでしょう。
- そのためには、中古ワンルームマンション購入は2〜3件程度に留めることも必要かもしれません。
良い物件があれば、2件〜3件程度まで契約
都内の中古ワンルームマンションを購入しようとすると、1件あたりの初期費用として70万円程度の費用がかかるかと思います。2,000万円の物件を1件購入した時のリターンの目安としては、
- 家賃85,000円、管理費10,000円、固定資産税4,500円(月当たり)とすると、
- 返済に充てられるのは月7万円程度。
- 年利1.5%程度で30年ローンを組んだとき、月の返済7万円程度です。
- その内訳は、利息は3万円弱、元本返済が4万円強です。
- 月々の元本返済額を合計すると、年間の元本返済分は50万円程度となります。
- この50万円分でローン残債を減らすことになります。
- 物件価値2,000万円に対するローンの元本が2,000万円ですが、
- 元本を減らした分だけ、物件価値とローンの差額がプラスとなり、
- このプラス分が自分の純資産の増加とみなす事ができます。
- この例では、毎年50万円もの純資産が増え続けることになります。
- ローンを全て完済すると、
- 家賃収入から管理費などの経費を引いた7万円は返済に充てる必要がなく、手取り収入となります。
- 手取り7万円からは所得税を引かれます。
- 所得税として年間の総所得額に応じた10%〜20%程度を引くと5.6万円〜6.3万円が手元に残ります。
この計算は1件あたりの見積もりです。5件を取得してローンを組めれば、リターンが5倍になります。
ただし、空室リスクや修理の費用も5倍なので、それに耐えうる余裕資金も5倍を用意する必要があります。
空室リスクと修理費用積立として年間あたり1ヶ月分の家賃をプールしておくのが無難でしょう。
- 1件なら8.5万円/12=0.7万円/月
- 5件なら5倍で42.5円/12=3.5万円/月
この程度予備費用をみておけば良いと思います。逆に用意できそうな予備費用の金額から、無理なく持てる件数を逆算するのもありかと思います。
銀行のローンによる純資産の増加を最大化するには、20代や30代などの若いうちに物件を取得するのが良いでしょう。
そうすることにより、リアイア(65歳など)までのローン返済期間をできるだけ長くとってローン返済の負担を下げることができます。これにより、できるだけ多くの物件数を保有しやすくなり効率的に純資産を増やせることでしょう。
1件目を繰上返済により完済を目指す
まずは自己資金を1件目の繰上げ返済に投入して、早期のローン完済を目指しましょう。
例えば35年で完済予定だったものが、半分未満の期間での完済を目指すことができるでしょう。返済の過程は以下の通りです。
- 家賃収入からのローン返済でローン残債を年間50万円ほど減らせることでしょう。
- そこへさらに、自己資金で年間60万円程度の繰上げ返済をする。
- これにより繰上げ返済しなかったときに比べて、年間の元本返済額が倍以上になります。これにより倍以上のペースでローン返済ができます。
- 17年で完済できたとすると、60万円×17年=1,020万円の追加投資で、2,000万円の純資産を手に入れたことになります(920万円のプラス)。
- 以後は家賃として6万円程度の配当所得が得られます。これは、物件価値2,000万円程度に対して年間3%の配当金のようなものです。
一方で、不動産投資をせずに繰上げ返済の自己資金にあたる年間60万円(月5万円)を複利運用で積み立てた場合を考えてみましょう。
- 金融庁 のサイトで計算したところ
- 7%の複利運用ができないと、17年後に2,000万円程度に資産を殖やすことはできません。
7%複利の投資先があればそちらでもいいですが、いったいどこにありますかね?ちなみに、
- 年間60万円(月5万円)を銀行に預けると、
- 0.1%複利(もあれば良い方)で17年後に1,028万円になるだけです(8万円のプラス)。
1件目の家賃収入で2件目の繰上返済を目指す
1件目の完済に17年程度かかったとすると、2件目のローンの残りの期間は18年あるでしょう。
ここからは、1件目が完済したことで、1件目の家賃収入がローン返済から解放されます。
- 1件目の家賃収入の経費、税引き後の5万円程度(毎月)を2件目のローンの繰上げ返済資金として全面的な投下しましょう。
- すると、18年の約半分の9年ほどで2件目の完済ができるでしょう。
さらに加速するためには、
- さらに自己資金として年間60万円(月5万円)を繰上げ返済しましょう。
- すると、18年の約1/3の期間の6年程度で完済となるでしょう。
- このときの6年間の追加投資は360万円です。
1,2件目の家賃収入で3件目の繰上返済を目指す
2件目の完済を完了した時点は物件取得から17年(1件目)+6年(2件目)=23年程度でしょうか。
- 3件目のローンの、残り期間は12年程度。
- ここに1件目と2件目の家賃収入を3件目の繰上げ返済に充てましょう。
- 自己資金の投入なしでも、12年の約1/3の期間の4年程度で3件目も完済できるでしょう。
- 3件の物件のローンを23年(1,2件目)+4年(3件目)=27年程度で完済できたことになります。
- 初期費用を除くと、自己資金の追加投資額は1,380万円です。
これにより純資産は6,000万円程度になりました。27年もの長い時間をかけて、入居者が自分のポケットにお金を入れ続けてくれたのが大きいですね。
資産価値として1年で1%の価値が下がるといわれておりますので、これを反映しても、
- 6,000万円 x (100% – 27%)を計算して、
- 4,980万円が、純資産として増えたことになります。
良い物件があれば、4件目以降を契約し、1,2,3件目の家賃で完済を目指す
ここから新たに4件目を2,000万円で購入した場合、35年ローンを何年で完済できるでしょう?
- 3件分の家賃収入を投入すると、4件目の物件の家賃収入と合わせて約4倍のペースで返済できます
- 35年の約1/4の9年弱で完済できるでしょう。
これで、ひと財産ができてしまいます。今回はスタートが3件の場合ですが、
- 1件目の完済間近のタイミングで4件目を増やしたり、
- 2件目の完済間近のタイミングで5件目を増やす場合を考えてみましょう。
物件を取得したその時から、家賃収入に任せてローンが返済されていく期間(つまりポケットにお金が入る期間)を長く取れるため、時間を味方につけて、純資産をより多く増やすことができるでしょう。
場合によってはスタートを3件ではなく5件からスタートするアグレッシブな戦略もありかもしれません。。。
60歳〜65歳で完済させて、個人年金を完成させましょう
そもそも、何のために不動産投資をするかといえば、個人年金の形成のためでしたね。
年金を受け取り始めたい年齢には、家賃収入をローン返済ではなく手取り収入にしたいですよね。その年齢までにローンを完済できていることが理想です。
もし、その時点で完済できていないローンが残っていても、入居者からの家賃収入に任せて、そのうちに完済されるのを待つこともできます。あるいは、いっそのこと売却してしまい、売却益として一時所得を得ることもできます。